人間ドックのメリットデメリット

人間ドック、ポジトロン断層法を用いた検査はその特性から、登場以降主にがんのスクリーニング検査に用いられています。
通常のがん検診は、がんの疑われる各部位ごとに検査をしなければなりません。
けれども人間ドック検査の場合には、全身を1度に調べることができます。
どうしてそのようなことが可能かというと、検査の性質自体が通常のがん検診とは全く違うからです。
がん検診のほとんどは、レントゲンやCT、超音波など撮影、検査方法にバリエーションはあれど、がんの病巣特有の形の異常を判断します。
が、人間ドック検査では、身体の機能の異常を検出します。
具体的には、撮影のための放射性物質をブドウ糖と結合させた検査薬を注射し、ブドウ糖がどこで多く消費されているかを判別します。
がん細胞は異常のない細胞よりも増殖が早く、そのためにより多くのブドウ糖を必要とします。
つまり、がんのある部分にはより多くのブドウ糖が集結することになり、その様子を放射線の放出でキャッチできるということになります。
人間ドックは、全身を検査できるにも関わらず、検査の負担が非常に少ないということです。
ブドウ糖を使用する関係上、検査の前は一定の時間絶食する必要はありますが、検査薬の静脈注射をしたらあとは1時間ほど安静にしている程度の準備ですみます。
また、実際の撮影時間も30分程度で、寝台の上に横たわっていれば終わります。
検査自体に当然痛みはありません。
検査薬も自然に排出されます。
このように、いいことづくめのようにも思える人間ドック検査ですが、やはりデメリットもあります。
1つは発見しにくいがんがあること、もう1つは高額だということです。
人間ドック検査が特に有用ながんは甲状腺がん、肺がん、食道がん、子宮がんです。
また画像では判別しにくい悪性リンパ腫も見つけやすいといわれています。
一方で異常がなくてもブドウ糖が集まってしまいやすい、脳や胃、大腸のがんは発見しにくくなります。
また肝臓がんや乳がん、前立腺がんはそれぞれに検査薬が集まりにくい理由があるために、やはり発見は困難になります。
さらに検査薬が尿で排出されることから、腎臓がんや膀胱がんには事実上無効といってもいいでしょう。
人間ドック検査の金額は1回10万円15万円程度です。
がんの転移を調べるといった目的で行われる人間ドック検査には保険が適用されますが、予防目的で行う場合には全額自己負担となり、医療控除の対象にもなりません。
けれどももし万が一人間ドック検査でがんが発見された場合には、検診代金も治療費として控除の対象になります。